2013年5月
5月病をいかに乗り切るか...
大型のゴールデンウィークも終わり、5月病が気になる人も多くなってきたころじゃないかと思います。
5月病というのは、新入社員に多い病で、
4月から会社に勤務しはじめ、少し仕事に慣れてきたところで、ゴールデンウィークの長い休みを取り、やっと慣れてきたペースが狂って、脱力感や無気力に襲われたりするもののことです。
もちろん、職場に馴染めないということがはっきりするころということもありますよね。
学生や子どもたちの不登校が始まるのもこのころが多いですね。
行きたくないのに行かなきゃならないっていうのも1ヶ月くらいが限界ということでしょうか。
何となく暖かいけれど、パッとしない陽気の4月から、カラッと晴れて暑さも増してくる5月の陽気に、気持ちがついて行けなくて起こると考える人もいます。
「私、危ないかも…」と思ったら、カウンセリングルームOZ銀座にお電話を。
カウンセリングを受けるほどではないという方は、
もし近くに大きな川(荒川とか隅田川とか多摩川とか…。もちろんきれいな川の方がいいけれど)があったら、晴れた日に川の土手に上がって、川を見ながら散歩をしてみてください。
途中で深呼吸をしたり、軽く走ってみたりするのもいいですよ。
川の流れというのは、人生を思わせるもの。
日本人の心の中には、少なからず鴨長明の「方丈記」、
「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。世の中にある、人と栖(すみか)と、またかくのごとし。 」
という感覚があるもの。
川面を渡る風のすがすがしさだけでなく、川の流れが自分の心を前へ前へと進めてくれるはずです。
日本人は四季をとても大切にする国民性なので、移り変わっていくものに惹かれるもの。
茶の湯の世界に「一楽、二萩、三唐津」という言葉があります。
これは、茶碗の良さに順位をつけたもの(一番が楽焼きの茶碗、二番が萩焼きの茶碗、三番が唐津焼きの茶碗)ですが、陶芸家(私は陶芸家でもあるんです。陶芸家というよりは陶芸教室の経営者と言った方が正確かな?)の立場から言わせてもらうと、
要するに「脆い順」ということであり、使い込めば使い込むほど茶碗にお茶がしみこんで変化をし変わっていく性質のものだということです。
この脆さは、焼き上げる時の温度の問題と、元々の土の持っている性質の問題で起こるのですが、
日本人には、そういう「移り変わり」が好まれるということの象徴的な表現だと思います。
ということで、日本人は一箇所にとどまるのではなく、自分が変わっていくことを受け入れるという国民性を他の国の人々よりも強く持っているので、川の流れを見ると、今の状況を抜け出そうという気持ちが働くのです。
「私って5月病?」
と思ったら、ぜひ川の土手に上がって、川面を渡る5月の爽やかな風を肌で感じながら、川の流れを眺めてみてください。
必ず気持ちが前向きになるはずです。
by 大関直隆